派遣の仕事はやむを得ない状況であれば辞められる
派遣社員として働いていて、「今すぐ仕事を辞めたい！」と感じている人も多くいらっしゃいます。
実際に派遣での仕事の多くは「工場」や「倉庫」が多いため、入社や退職が多い職場となっているのが現状です。
また、派遣として働くとなれば3年という契約期間で働くこととなります。
しかし、派遣社員は絶対に3年間の契約を全うしないといけない、というわけではありません。
契約期間中であっても、やむを得ない事情があれば仕事をやめることが可能となります。
では、やむを得ない状況とは一体どのようなことを指すのでしょうか？
順番に見ていきましょう。
家庭の事情
一つ目は、家庭の事情による退職です。
家庭の事情が大きく影響して、仕事を続けられなくなった場合は派遣での仕事を辞めることができます。
例えば
- 結婚や妊娠をすることになった
- 家族や親の介護が必要になった
- 正当な理由のある引越し（配偶者の転勤など）
これらが該当する家庭の事情です。
どれも人生の転機となり得る状況であるため、派遣会社側も「やむを得ない状況」と判断してくれます。
体調不良
二つ目は、体調の変化による退職です。
体調が悪化して仕事を続けられなくなった場合、契約期間中であろうと仕事を退職することができます。
例えば
- 身体的な怪我
- 精神病を患う
- 持病が悪化する
- 療養が必要になった
こういった状況の場合、体調不良として仕事を辞めることができます。
また、身体的な怪我であれば、別の部署へ異動することも可能な場合もあります。
しかし、工場での仕事の多くは身体を使った仕事となるため、強い痛みを生じる怪我の場合は仕事を続けることが困難となるでしょう。
持病が悪化した場合も辞めることができるのですが、派遣の仕事の多くは「持病持ち」で採用されることは少なく、持病を隠して働いていた場合であれば「持病の悪化」を理由にすることは難しくなります。
また、診断書の提出等が必要な派遣会社もあるので、くれぐれも嘘や怪我の内容を誇張するようなことはやめましょう。
職場でのハラスメント
三つ目は、職場でのハラスメントを理由とした退職です。
これらは明らかに派遣先の企業体制や派遣先の上司が悪いと判断された場合に認められる退職理由となります。
しかし、このようなパワハラは主観的な概念でもあるため、立証することが難しかったりもします。
上司から精神的・身体的な苦痛を受けさせられた場合、すぐに派遣会社の担当者に相談するようにしましょう。
契約期間中に辞める際の注意点
上記のような正当な理由で辞める際でも、必ず守っておきたい注意点が3つございます。
あくまで「契約期間中に」辞めるため、注意して辞めることを伝える必要があるということです。
では、順を追ってみていきましょう。
まずは派遣会社に伝える
仕事を辞める際にはまず、派遣会社に伝える必要があります。
ここでよくあるミスが、先に派遣先の企業に対して辞める意思を伝えてしまうパターンです。
派遣社員として働く際に、雇用契約を結ぶ相手は派遣会社であって、派遣先の企業ではありません。
派遣先の企業に先に辞める旨を伝えたとしても、派遣会社からの連絡があるまでは辞める準備に取り掛かることはないので、まずは派遣会社の自分の担当者に辞める旨を伝えるようにしましょう。
先に派遣先の上司に辞める旨を伝えてしまって、そんな話を派遣会社からは聞いてないということでトラブルになった事例も存在します。
雇用先は派遣会社ということをよく理解して、まずは担当者に連絡するようにしましょう。
派遣会社の担当に相談して辞めずに済んだ例
パワハラや配偶者の転勤など、まだ働ける状況であるにも関わらずやむを得ない理由で退職したい場合、派遣会社が親身になって新しい派遣先を用意してくれる場合もあります。パワハラを受けていたSさんは担当者に相談したところ、今働いている工場とは別の工場に派遣先を変えてもらい、パワハラを受けることなくノンストレスで働けるようになったという事例があります。まずは担当者に相談することからはじめましょう。
無断欠勤・音信不通はダメ
ごく稀に「無断欠勤」や「音信不通」によって派遣先からバックれる人がいますが、これは絶対にNGな行動です。
NGな理由は説明せずともわかると思いますが、派遣会社のブラックリストに入ってしまい、他の派遣会社にもその情報が伝わる場合もあります。
つまり、義理を欠いて辞めた派遣会社から派遣先の紹介ができない他、別の派遣会社からも派遣先の紹介をしていただけない可能性まであるのです。
派遣社員として働く人にとって、派遣先を紹介してくれる派遣会社は仕事を与えてくれる貴重な収入源です。
どれだけ派遣会社に辞める旨を伝えるのが辛くても、親身になって相談に乗ってくれる担当者ばかりなので、きちんと伝えるようにしましょう。
やめる派遣会社での今後の就労が厳しくなる
正当な理由であっても、派遣会社側の判断によっては次の派遣先を用意してくれない場合もあります。
理由は、契約期間中にも関わらず辞めるという判断をしたからです。
契約を守れなかったことによる信用低下は避けられないもので、また派遣先を紹介したとしても契約期間中にやめる恐れがあると判断されてしまいます。
また、就業期間中のデータは派遣会社にずっと残り続けるため、好条件の仕事があったとしても紹介してくれる可能性はかなり低くなるでしょう。
特に大手の派遣会社であればあるほど、紹介してもらえる職場が多いため不利に働くこととなります。
「本当に今、辞めてもいいのか？」と自分に問い直し、一時の感情で判断していないかをもう一度考え直すと良いでしょう。
派遣の仕事で辞める原因となる悩み
派遣の仕事は工場や倉庫が多く、場所によって抱える悩みも変わってきます。
しかし、辞める原因の多くは派遣先の企業の職場環境や、そこで働く人たちとの人間関係になります。
そこで、派遣での仕事を辞める原因となる悩みについて4つのパターンがあるので順を追ってみていきましょう。
職場での人間関係が劣悪
一つ目は、職場での人間関係が劣悪である場合です。
これは自分に実害はなくとも、派遣先で働いている社員が上司に叱責を受けていたり、行きすぎた指導を受けているのを目の当たりにするだけでもかなり大きなストレスとなります。
もし、自分がその行きすぎた指導の対象であれば、間違いなく大きな悩みを抱えていることでしょう。
こういった人間関係が劣悪な職場環境は、社員の離職率アップにつながります。
誰が見てもおかしな状況であっても、そこで働く人にとっては通常運転である場合がほとんどです。
少しでもおかしな状況で、自分がストレスを感じながら働いているのであれば、必ず派遣会社の担当者に相談するようにしましょう。
給料に不満がある
二つ目は、給料に不満がある場合です。
自分の働きに見合った給料を受け取れないと、働き甲斐を感じれず、辞めたい気持ちに陥ります。
しかし、実際に派遣社員だとしても給料交渉の余地があるのはご存じでしょうか。
まずは、派遣会社の担当者に相談をして、「自分の働きと給料の額が見合っていない」ことを伝えます。
もちろん、むやみにそれを伝えたとしても根拠がなければ納得してくれません。
働いている時間や、他の社員との働き量の差異などをもとに具体的に伝えることで、担当者の理解を得ることができるでしょう。
そうなれば、担当者から派遣先の企業に交渉が入るため、あとは給料が上がるのを待つだけになります。
すぐに「辞める」という決断をせずに、一度相談してみることをお勧めします。
仕事内容や量が聞いていたものと違った
雇用契約を結ぶ前に聞いていた仕事内容と、派遣先で勤務することになってからの仕事内容に大きな違いがある場合は、必ず派遣会社の担当者に連絡しましょう。
ほぼ確実に取り合ってくれるため、任される仕事内容の変更や仕事量の増減、または部署の異動まで手広く対応してくれます。
また、よくある相談内容としては、残業代が正しく計算されていないというものです。
こういった給料に関することや仕事内容に対する不満は全て派遣会社が対応してくれるので、お気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。
派遣の仕事を契約期間中に辞めることは、やむを得ない理由があった場合は可能であることが理解できたと思います。
しかし、実際に職場に悩みのある方は派遣会社に相談をして、辞めずに済んでいるケースも多くあります。
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